福祉施設を利用する人を「利用者」そしてその家族も「利用者さん」と呼ぶ場合がある。
「ご利用者さんのご家族様」と、優しく親切な声で一段へりくだった姿勢で話している。丁寧で感じがいい。
国の方針では介護保険事業はサービス業と位置づけているらしい。サービスとはサポートであり、上から下へではなく、下から何かを支援することではないでしょうか。
だが、長い習慣から利用者さんは、親が世話になっている施設には少々のことは不満があっても言わない。または我慢する場合が多いような気がする。
介護とは高齢者の身体とこころと生活習慣を理解することから始まる。 一人の大切な命を守り、安心して平安な気持ちで過ごしていただくためにはご本人、家族、職員とのコミュニケーションが大切だが、ご家族の場合は不満があっても我慢するのではないでしょうか。
私、理事長としては、受付の職員に、出来れば親に会って帰るご家族様の様子を見ながら「今日お母さんはどうでした?」と聞いてもらえば感じた事を自然に話しやすくなると思います。 意見は介護サービスの向上につながります。 面会に来ていただいたご家族様に「今日のお父さん、お母さんはいかがでしたか?」と伺う。そしてその意見を介護サービスに生かしたい。
長く生きる福祉から楽しく長く生きる文化福祉を目指して頑張っ てきたが、コロナ禍の3年、介護サービスの一部が出来なくなった。低下したサービスを回復させる意味からも、受付から、一言「今日のお父さんお母さんはいかがですか」と伺う。
そして ご家族様の一言をサービス改善につなげる。 福祉は大げさなものではない。素朴な願いを叶えるようサポートすることではないでしょうか。
社会福祉法人こころの家族 尹基(Tauchi Motoi) 2023年11月1日